【ワーママになってみた】育休から復帰。仕事も子育ても「完璧じゃなくていい」と思えるようになるまで 福島県郡山市

「育休が終わったら、ちゃんと仕事に戻れるかな」
「子どもが熱を出したらどうしよう」
「仕事と家事と育児、本当に全部できるのかな」
育休復帰を前に、そんな不安を感じているママも多いのではないでしょうか。
今回の「ワーママになってみた」は、訪問看護師として働くわらママさんにインタビューしました。
第一子の出産後、1年間の育休を経てフルタイムで職場復帰。
現在は、2歳半と3か月のお子さんを育てる2児のママです。
実際に育休から復帰して、ワーママになってみたらどうだったのでしょうか。
仕事、保活、子どもの体調不良、家事、夫婦の役割分担、そして仕事への考え方の変化まで、わらママさんのリアルなお話を聞きました。
今回お話を聞いた人|わらママさん
お名前:わらママさん
お仕事:訪問看護師
お子さん:2歳半・3か月の2児のママ
第一子の育休期間:1年間
復帰時の働き方:フルタイム
出産前は「仕事が生活の中心」
出産前のわらママさんは、訪問看護師として9時から17時半までフルタイムで働いていました。
さらに週2回ほど「オンコール」を担当。
仕事が終わってから翌朝の出勤まで電話を持ち帰り、患者さんから相談があれば対応します。
電話だけで終わることもありますが、患者さんの状態によっては、夜中の2時にご自宅へ伺うことも。
必要であれば救急車を呼んだり、翌朝に主治医へ連絡したりと、夜間も患者さんを支える仕事をしていました。
妊娠前について、わらママさんは、
「本当に仕事がメインでした」
と振り返ります。
仕事が楽しく、やりがいを持って働いていました。
妊娠して初めて「今までと同じ働き方はできるのかな?」
妊娠が分かっても、仕事を辞めるという選択肢は考えていなかったそうです。
一方で、
「時短にしなきゃいけないのかな」
「パートに変えなきゃいけないのかな」
と、これまでと同じ働き方を続けられるのかは考えるようになりました。
そして産休・育休に入るときに感じていたのが、
「1年間休んで、同じように働けるのかな」
という不安。
看護師としての能力面での不安に加えて、
「仕事と子育てを両立できるのかな」
という心配もありました。
初めての育児。そして待っていた「保活」
第一子だったため、育休中は初めての育児でてんやわんや。
それでも、子どもとの毎日はかわいくて、幸せな時間でもありました。
ところが復帰が近づいてくると、
「オンコールはできるのかな」
「仕事が終わって帰ってきて、夕飯はどうするんだろう」
と、仕事だけではなく、仕事が終わった後まで含めた生活への不安が出てきました。
そして大きな問題だったのが、保育園探しです。
わらママさんの保活は、
「全然順調じゃなかったです(笑)」
とのこと。
早生まれだったこともあり、認可保育園にいくつも申し込みましたが入れず、最終的には認可外保育園を探して入園することになりました。
復帰前、専門書をもう一度開いた
慣らし保育が始まると、少しだけ時間に余裕ができました。
そこでわらママさんが始めたのが、仕事に戻るための準備。
家にあった専門書をもう一度読み、職場にも顔を出して必要なものを置いてくるなど、少しずつ「仕事のある生活」に戻していきました。
そして、いよいよ復帰の日。
「1年間一緒にいたけれど、もうちょっと一緒にいたかったな」
そんな気持ちもあったそうです。
職場では、初日から以前と同じ仕事量を求められるのではなく、最初の1〜2日は事務作業などをしながら、徐々に仕事へ戻ることができました。
「私、こんなにどんくさかったっけ?」
復帰直後、わらママさんが一番戸惑ったのは、自分自身の変化でした。
頭がまだ「仕事の脳」に切り替わっていない。
以前なら頭の中で覚えられていたことも抜けてしまう。
「私、こんなにどんくさかったっけ?」
と思うくらいだったそうです。
そこで、以前よりも意識して何でもメモを取るようになりました。
一方で、想像していたより大丈夫だったこともありました。
それが、子どもの体調です。
冬の時期から保育園へ通い始めたにもかかわらず、最初の2〜3か月はほとんど呼び出しがありませんでした。
さらに復帰前には病児保育にも登録。
「何かあったとき」の準備をしてから復帰していました。
実際、ワーママになってみてどうですか?
今回のインタビューで、わらママさんに一番聞きたかった質問です。
「実際にワーママになってみて、どうですか?」
答えは、とてもシンプルでした。
「大変です(笑)。想像していたよりも大変でした」
職場には以前から子育て中のママがいて、早く帰る姿なども見ていました。
だから、自分なりにワーママ生活をイメージできているつもりだったそうです。
でも、実際に経験して初めて分かったことがありました。
それが、「仕事から帰った後」。
仕事で疲れて帰宅する。
そこから子どもがまとわりついてくる。
子どもが体調を崩せば看病して、病院へ連れていく。
そして体調が戻れば、翌日はまた自分も仕事へ行く。
わらママさんが特に印象的な言葉で表現してくれました。
「途切れないんです」
仕事が終わったら休めるわけではない。
育児が終わったら仕事がなくなるわけでもない。
その生活を経験して、
「世の中のワーママさん、すごいなって思いました」
と話します。
フルタイム復帰。でも「オンコール、どうする?」
わらママさんは、復帰後もフルタイム勤務を選びました。
しかし、出産前とまったく同じ働き方をしようとすると、一つ大きな問題がありました。
夜間のオンコールです。
夫が帰宅するのは21時ごろ。
もし18時から21時の間に患者さんのところへ行く必要が出たら、
「子どもを誰に預けるの?」
という問題が起こります。
そこで職場へ相談しました。
最初は夫が休みの土日を中心にオンコールを担当し、以前は月8回程度だったものを月4回程度に。
さらに、
「18時から21時までは別のスタッフが対応して、21時以降はわらママさんが担当する」
という方法も試験的に取り入れました。
決められた働き方にわらママさんが無理に合わせるのではなく、
「どうしたら子育てしながら働き続けられる?」
を職場のみんなで考えていったのです。
「絶対に職場に合わせてください」だったら続けられなかった
子育てをしながら働いてみて、わらママさんが感じたのは、職場の柔軟さのありがたさでした。
「絶対に職場に合わせてください、という職場だったら、たぶんフルでは戻れていなかったと思います」
場合によってはパートにするなど、働き方そのものを変えなければ続けられなかったかもしれません。
制度があるだけではなく、その人の状況に合わせて、
「じゃあ、どうしたらできる?」
と一緒に考えてくれる人がいる。
それが、働き続けられている大きな理由の一つです。
掃除と整理整頓は「諦めました(笑)」
では、家庭のことはどうしているのでしょうか。
夫の帰宅時間が遅いため、保育園のお迎えや平日の家事はどうしてもわらママさん中心になります。
そこで、全部を今まで通りにすることはやめました。
特に手を抜くようになったのが、
掃除と整理整頓。
毎日やらなくても大丈夫なものは、土日にまとめてやったり、夫にお願いしたり。
一方で食事は毎日のことなので、土日に作り置きをして水曜日くらいまで持たせたり、パルシステムの料理キットなども活用しています。
全部を自分で頑張るのではなく、使えるサービスを使う、やらなくてもいいことはやらない。
それも、ワーママ生活を続けるための大切な工夫です。
子どもが熱を出したらどうする?
保育園から連絡が来たときは職場の上司に相談し、
「ここまで仕事をしたら帰ります」
と仕事を調整します。
保育園側も状況に応じて対応してくれるため、とても助けられているそうです。
子どもが体調を崩した初日はわらママさんも一緒に休み、一番つらい時期を一緒に過ごす。
少し元気になってきたら、病児保育を利用することもあります。
さらに、わらママさんが土日に仕事の場合はパパが子どもを見ることになりますが、必要に応じて一時預かりも利用。
だからこそ、わらママさんが育休復帰前のママに伝えたいのが、
「使える制度を知っておくこと」
です。
病児保育、一時預かりなどを育休中に調べて、必要なものには事前に登録しておく。
復帰してから慌てて探すのではなく、「困ったときに使える選択肢」を先につくっておくことが、復帰後の生活を助けてくれました。
職場で最初の「ワーママ」になった
子どもの体調不良などで仕事を休むと、わらママさんも周りへの申し訳なさを感じることがあります。
現在の職場では、子育て中のスタッフがたくさんいるわけではありません。
いわば、わらママさんが「ワーママの先駆者」。
だからこそ、
「こういう場合はどうする?」
「どういう働き方なら続けられる?」
ということを、職場のみんなと一緒に考えています。
わらママさんが今働き続けることは、これから同じ職場で子育てをしながら働く人のための、新しい働き方をつくることにもつながっているのかもしれません。
ママになって、仕事への考え方も変わった
出産前は「仕事をちゃんと仕上げること」をとても大切にしていたわらママさん。
でも、子どもが生まれて、自分の中で仕事の比重が少し変わりました。
もちろん仕事はきちんとする。
でも今は、
「やれるだけやる」
という考え方ができるようになりました。
自分以外の人でもできる仕事まで、全部自分で抱え込まない。
「これは自分がやる」
「これは人にお願いしてもいい」
と優先順位をつけられるようになりました。
保育園のお迎えがあるので、以前のように残業することもできません。
限られた時間の中で働くようになったからこそ、仕事の進め方も変わりました。
母親になったら「判断が速くなった」
一方で、母親になった経験が仕事にプラスになった部分もあります。
わらママさんが感じているのが、判断力の変化です。
以前より、
「どっちにしようかな」
と迷っている時間が少なくなりました。
さらに、以前より少し「おせっかい」にもなったそう。
困っている人を見かけたとき、以前なら、
「声をかけようかな、どうしようかな」
と迷っていたところを、今では反射的に、
「大丈夫ですか?」
と声をかけられるようになりました。
子育てで身についた経験が、訪問看護師として人と関わる仕事にも生かされています。
「細々でも、仕事を続けていたい」
これからのキャリアについて聞くと、わらママさんはこんなふうに話してくれました。
子どもが小さい時期にしか経験できないこともある。
だから、小学校中学年くらいまでは、子育てと仕事の折り合いをつけながら働いていきたい。
そして、いつかまた仕事にしっかり力を注げる時期が来るまで、
「細々でも、仕事を続けていたい」
と思っています。
完全に仕事から離れてしまうのではなく、その時々の家庭の状況に合わせながらキャリアをつないでいく。
「今までと同じように働けない=キャリアを諦める」ではありません。
今できる働き方で、仕事とのつながりを持ち続ける。
それも一つの働き方なのだと思います。
これから育休復帰するママへ
最後に、わらママさんに「これから育休復帰を迎えるママへ伝えたいこと」を聞きました。
返ってきたのは、とても印象的な言葉でした。
「仕事は最悪どうにでもなるけど、子どものママは自分しかいないと思っています」
仕事を休めば、周りに申し訳ないと思うこともある。
思うように働けなくて悩むこともある。
それでも、
「後悔しないように、自分がやりたい方というか、自分が大事にしている方を優先していいんじゃないかなと思います」
そして最後に、同じように毎日頑張っているワーママたちへ。
わらママさんから一言。
「みんな、頑張って!」
わらママさんが使っているサービス一覧
育休復帰後の生活を支えるために、わらママさんが利用しているサービスや、事前に調べておくと安心な制度をご紹介します。
しゅふコミ「ワーママになってみた」
「ワーママ」と一言で言っても、その働き方も家庭環境もさまざまです。
時短勤務を選ぶ人もいれば、わらママさんのようにフルタイムで復帰する人もいます。
大切なのは、誰かの働き方を「正解」にすることではなく、自分と家族に合った働き方を見つけていくことなのかもしれません。
しゅふコミでは、子育てをしながら働く女性たちのリアルな経験を「ワーママになってみた」として紹介していきます。
「こんな働き方もあるんだ」
「私にもできるかもしれない」
そんなふうに、自分らしい働き方を考えるきっかけになれば嬉しいです。
しゅふコミWorks|子育てと働くを応援します
